Y2 その男、凶暴につき。 忍者ブログ
テレビアニメペルソナ4第12話「It’s Not Empty At All」を見て、悠と陽介に腐ってしまいました。そんなネタでお送りします。BL要素がありますので、お嫌な方は入室しないでくださいね。
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ちょっと、タイトルは過激にしてみました。(笑)
でも、内容はぬるいです。(爆)
時期的には、夏休み後半ジュネスバイトあたり。


BL大丈夫ですか?
大丈夫な方だけ、続きをどうぞ。







































だめだ。
このままじゃ。
いつか、堤防は決壊する。



悠は、盛大にため息をついた。
気づいてしまったのだ。
鮫川の河川敷で、陽介が泣きじゃくるのに、肩を貸すつもりが、抱きしめてしまった。
陽介は、泣きながらも、
「そういうのは、女相手にしろよな」
などと言っていたが、関係なかった。
すでにかなり、陽介にやられていたのだ。
ころころと表情が良く変わる。がっかり王子なんて言われているが、そのうっかりさ加減もかわいいと思う。
気がつくと、ニコニコしながら、見つめている自覚もある。
和む、とか、そういう意味で好きなのか、と思っていたが、さっき、そうじゃなかったことに気づいてしまった。
まだ、陽介の体のぬくもりとか、重さとか、体で感じた全てを抱きしめたくなる。
悠は自覚した。
自分がホモだとか、バイだとか、そういう意識は全くなかった。
ただ、陽介だけが好きなのだ。


次の日。
良く眠れなくて、目覚めがあまり良くないまま、悠はぼうっとしていた。
すると、携帯が鳴る。陽介用に設定した着メロは軽快でさわやかで、陽介のイメージにぴったりだった。
「陽介?」
悠が電話を取ると、慌てた様子の陽介の声が聞こえてきた。
『頼む!ジュネスのバイトに入ってくれないか?』
切羽詰まった様子の陽介の声。悠は嬉しく思いながらも心配になる。
「どうした?」
『例の、おまえの前で怒鳴り散らした女子二人、昨日急にやめやがってさ。俺の責任でなんとかしろ、って親父に言われたんだ。』
「なるほど」
『おまえを巻き込むのは気が引けるんだが、ほかに頼めるヤツいないしさ。マジ頼む!』
悠は口元を緩ませた。
陽介は無意識に悠を嬉しがらせるキーワードを発信していた。
「解った。」
そう言ったなら、電話の向こうで、陽介がほっとしたのがあからさまに解った。
『じゃ、10時半からで良いから、事務所口から入ってこいよ。待ってるからな』
「ああ、解った。じゃ、後で」
携帯を握った手が、少し汗ばんでいた。
通話が切れた後も、少しだけ悠は携帯を耳に当てていた。
「重症だな・・・」
耳から直接聞こえてきていた陽介の声。顔を見なくても、笑ったり怒ったり焦ったりしていたのが良く解る。
「かわいい・・・」
悠はまた盛大にため息をついた。


すごく、忙しかった。
夏休み中の昼飯時のフードコートは戦争のようだった。
悠は調理こそしなかったが、食材を倉庫から運ぶのに何往復もした。
その後は夕方からのタイムセールのための品出し、その後は倉庫の品物の在庫チェックと整理。
気がつくと夕方7時を回っていた。
倉庫はあちこちに段ボールがうずたかく積まれていて、まるで巨大迷路のようだった。
缶ジュースの堅い段ボールに座って休憩していると、
「よう、お疲れ」
陽介がやってきた。
悠は疲れていたが、すぐに立ち上がった。
「だいたい、こっちは終わった。おまえにも世話かけたな」
「いや、陽介の頼みだし」
悠は心の底からそう思ったのだが、陽介は何だかぎこちなくなっていた。
「そ、そうか?そう言ってくれると助かる」
そう言いながらも、陽介は悠から目を逸らす。
「陽介?」
悠は陽介の顔をのぞき込むようにした。
「どうかしたのか?」
近づきたい、見たい、陽介の顔が。
そういう気持ちが、悠を動かした。


逸らしたはずの視線が一瞬絡み合って、
「え?」
「あ?」
唇が、一瞬、ふれあった。


「なななっなんなんだ?」
陽介は盛大に驚き、あとずさりした。
悠はしばし呆然とした。だが、
「事故、だろ?」
と言った。事故にしては自分に都合が良すぎるが、嬉しそうな顔をしたら、陽介がもっと引く。
「だけど・・・俺のファーストキスがああっ・・・」
陽介はがっくりと膝をついた。
その様子に、悠の体の奥から、何かが蛇のように鎌首をもたげた。
「陽介」
そう呼びかけると、肩をつかみ、体を起こしかけた陽介のあごを右手で引き寄せて、強引に口づけた。
「んっ!」
陽介は目を見開いたまま、悠からの口づけを受けていたが、やがて、慌てて悠の体を突き放した。
「いや、なのか?」
今、自分はどんな顔をしているだろう、と悠は思った。
たぶん、欲望と衝動にまみれた、獣の顔だろう。
だが、あとからあとからこみ上げてくる熱い思いを、止められない。
「当たり前だろ?俺たち、男同士だぞ?事故ならまだ納得もいくけど、さっきのは、無理矢理だっただろ?何のつもりだよ?悠。変だろ?どう考えても」
あわあわしながら、早口でまくしたてる陽介。
悠は腹の奥が熱くなるのを感じた。


「好きだ、陽介」
「え?」


陽介がうろたえるのを見て、悠は行動した。
「陽介、キス、嫌がってなかっただろ?」
そう言うと、陽介の体を抱きしめた。
「ちょ、ちょっと、悠」
力任せにのしかかり、押し倒す。
倉庫の床はコンクリートで、真夏でもひんやりしていた。
「待てって、悠!」
「体に解らせてやる」
悠は陽介のエプロンの下に手を這わせた。
「悠!!!」
組み敷かれた陽介が、大きな声で叫ぶと、悠に頭突きをかました。
さすがの悠もその衝撃に頭を抱えてうずくまる。


「このバカ!こういうのは、両方の合意でやらなきゃ、だろ!」
悠はきょとんとした。
陽介は顔を真っ赤にして怒っていた。
「陽介・・・」
「おまえが真剣なのは、解った。だから、ちゃんと考えてやる。だから勝手に盛り上がって襲うなよ?おまえのこと、せっかく親友だと言えるようになった矢先だから、なかなか気持ちが上手く進まないかもしれないけどな」
陽介がやっとのことでそう言うと、悠はほほえんだ。
それはそれはきれいに。
陽介がしばし見とれるほどに。


「解った」


悠は一言そう言うと、のしかかっていた陽介の上からどいて、立ち上がった。
陽介に手を差し出す。
陽介は、差し出された手を握った。次の瞬間、強く引かれ、陽介も立ち上がった。
目と目が絡み合う。
でも、さっきみたいに逸らされない。
それが悠は嬉しかった。


いつか、やっぱり、その先もしたいだろうと思う。
けれど、今はまだ、決壊未遂。
今はそれで、良い。
悠はそう心に言い聞かせていた。



*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

はははははは。未遂です。
しかも凶暴なのは、悠じゃなくて陽介のほうでした。(笑)
楽しんでいただけたら幸いです。

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