テレビアニメペルソナ4第12話「It’s Not Empty At All」を見て、悠と陽介に腐ってしまいました。そんなネタでお送りします。BL要素がありますので、お嫌な方は入室しないでくださいね。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
あけましておめでとうございます。今年も悠と陽介の二人が幸せでありますように、
楽しい、もしくはエロい、創作を今後も書いていこうと思っております。
今回は大晦日から正月の話。
悠は陽介から除夜の鐘を突く誘いを受ける。
だけど、悠は正月は陽介と二人だけで過ごしたくて。
でも、それをかなえてしまうのは悠のほう、という話です。
エロい描写はしていませんが、やってます。(爆)
そんなBLでも大丈夫な方は「つづきはこちら」からどうぞ。
楽しい、もしくはエロい、創作を今後も書いていこうと思っております。
今回は大晦日から正月の話。
悠は陽介から除夜の鐘を突く誘いを受ける。
だけど、悠は正月は陽介と二人だけで過ごしたくて。
でも、それをかなえてしまうのは悠のほう、という話です。
エロい描写はしていませんが、やってます。(爆)
そんなBLでも大丈夫な方は「つづきはこちら」からどうぞ。
大学生になって初めての大晦日。
悠が作ってくれた年越しそばをすすりながら、陽介がふいに言った。
「なあ、今から二人で二年参りに行かないか?」
「却下」
悠はすぐに決断した。当然陽介は抗議する。
「何でだよ?やっぱ、ちゃんと新しい年を迎えるなら、初詣に行った方が良いだろ?」
悠はため息をついて言った。
「陽介、ここは八十稲羽じゃないんだ。今から思いつきで行っても、どこもめちゃくちゃ混んでいる。人混みにまぎれてはぐれたりしたら、それこそ初詣どころじゃないだろ?」
悠に言われて陽介はうーむ、それもそうだな、とうなる。
悠としては、このまま行く年来る年を見て、陽介と思いっきり新年一回目を堪能しようともくろんでいるのに、そんなものに出かけたくないというのが正直な所。
だが、悩んでいた陽介はぽん!と手をたたいた。
「ならさ、除夜の鐘、突きに行こうぜ」
「は?」
思わず悠は目が点になった。陽介は大まじめだ。
「ほら、やっぱ正月らしいこと、やってみたいんだよ。それに特におまえ、煩悩ありすぎだろ?少し払ったらいいんじゃね?」
悠は全然どこにも行きたくないのだが、少しはこの可愛い人の希望をかなえてあげたいと思う悪い癖が出た。
「陽介に対する煩悩以外ならはらっても良いけど…」
「ほら、それだ!どこでもすぐにサカるのは、ホントやめて欲しいんだけど」
すかさず突っ込みを入れる陽介。
その件については身に覚えがある。ありすぎて、陽介と二人で出かけたときはいつも観光と称しながら、人気のないところを探しては陽介を襲うという酷いことを連発しては陽介に怒られている悠には譲歩する用意がある。
「解った。どこの寺に行きたいのか、リサーチは済んでるのか?」
「ああ、築地本願寺」
と良いながら、陽介はスマホで情報を悠に見せた。
「ここからなら、電車で一本だし、銀座にも近いから、電車も祝日運転で終日夜中中走ってるんだ。良いだろ?」
なるほど、ちゃんと二段構えでいたらしい。本当の目的がただ自分と夜中に出かけることだとしても、悠としては付き合おうという気持ちになった。陽介を抱きしめるのは戻ってきてからでも充分だ。
「じゃ、行こうか、陽介」
「やりい!急いで用意しようぜ」
二人はダウンを着込んで、暖かい服装になってアパートを後にした。
早くも出かけたことを後悔してしまうような、東京メトロ。
どうにかこうにか、二人は築地までやってきた。
どこかの有名な神社よりはましだが、ここにも軽く行列がある。
「除夜の鐘を希望の方はこちらにお並びください」
と、案内された方へと歩みを向けるが、やはり人が列を作っている。
「これは、やっぱり、厳しいな」
悠が言うと、陽介は
「せっかく来たんだし、数来たら断るだろ?きっと突けるって」
と悠に一生懸命に言う。その様子はまるで小さな子が欲しい物を親にねだるときに「誰々ちゃんも持ってるし」などと言うときの口調に似ていて、思わず悠は口元を緩める。
「解った、せっかくここまで来たんだし、何もしないで帰るのもな」
「さすが相棒!並ぼうぜ」
颯爽と陽介は列の後尾に並ぶ。悠も陽介の隣に歩みを進めた。
だが。
「済みません、ここから、二人一組でお願いできますか?」
と案内の人が済まなそうに言いにきた。
「構いませんよ」
と悠は返答した。打つなら陽介といっしょが良いと思っていたから、悠にはラッキーだ。
「マジかよ」
と少しだけ陽介が落胆したが、前にも後ろにもまだ人が並んでいる以上、そんなに強くは言えない。自分が言い出したことでもあるし、陽介は悠の顔を見た。
「やっぱ、運ないのな、俺。わりい」
悠はほほえんだ。
「いや、ラッキーだよ。でなきゃ、陽介と一緒に除夜の鐘を突くなんてこと、きっと一生ない」
悠の言葉に陽介は心持ち顔を赤らめながら、
「そうか?そう言ってくれるとホッとするぜ」
とニコり。
その顔を見た悠はまた再び抱きしめたいと思う。だが、さすがにこの人では陽介がキレる。
「ああ」
悠は陽介が見惚れるような笑顔を返した。
思った通り、陽介は動きが止まり、はっとして、どぎまぎしながら
「よ、良かったぜ、あ。もうすぐ俺らの番だ」
と前を無理矢理に向いた。悠は微笑みながら陽介を見つめた。
二人は大きな金のやぐらまで、前の人たちの後について歩いた。
「鐘を突くのには、心を研ぎ澄ませて、落ち着いた気持ちで打たなければ鳴りません」
近くで案内の人が言っているのが聞こえる。
「ほら、な?やっぱ煩悩をなくすのが大切なんだって」
陽介は得意そうに言う。
悠は心の中ではいはい、とつぶやく。
ある確信があったのだ。
悠の運は陽介の二倍は良い。
煩悩も自分のほうが多すぎて、陽介と同じように払っても108回くらいでは全く足りない。絶対に陽介への煩悩は残るだろう。
果たして。
「次の方、どうぞ」
と言われて前へ進む。
「ほら、悠、そっち持てよ」
陽介に言われるがまま、鐘の右側に下がっている縄を持つ。
「じゃ、せーの、で行くぞ」
「ああ、せーの」
と、反動をつけようとしたときだった。
「あ!」
なんと、陽介が持った側の縄が切れてしまったのだ。
悠が持った側だけは大丈夫で、そのまま鐘に当たった。
ゴーン……。
低い余韻を保ったまま、鐘はなった。
「あああ、なんでだよ?!俺の煩悩は?どうなるんだよ?」
陽介は頭を抱えて座り込む。
係の人も驚いて縄をチェックするが、人為的に切られた跡もなく、ただ寿命だったのだと結論。
「大変申し訳ありません、もう一度突いて良いと言いたいところなのですが、後で待っている方々と数を合わせておりますので、もうあなた方の分は終わりと言うことでお願いします」
係の人が申し訳なさそうに謝った。
「俺の煩悩はどうなるんだよおお?」
更に嘆く陽介を悠は慰めた。
「大丈夫だ。俺がちゃんとおまえの分も気持ち込めたから」
陽介は悠の言葉に頷いた。
「じゃ、帰ろう」
「おう…」
陽介は悠の言葉に促され、歩き出す。
だが。
「悠、わりいな」
「??」
突然の陽介の言葉に悠は首をかしげた。
「何か、おまえを振り回して、煩悩を払おうと思ったのに、こんなに俺の運が悪いとは思ってなかったんだ。おまえの分はきっとちゃんと払えたと思うけど、俺は…」
陽介はマジへこみな様子で、悠のことを上目遣いに見た。
悠がそんな可愛い陽介を見て、我慢できるわけがなかった。
「陽介」
「悠?ちょ…」
本殿を出て、大通りまで歩いて出ていた。そんな、人通りの多い歩道の真ん中で。
悠は陽介を抱きしめた。
「はずいって、止めろよ悠」
「止めない」
悠は抱きしめた腕をきつくした。陽介は暴れたいのを抑えた。
「いつも、陽介はそうだ。俺を楽しませようとか、いっしょに何かしようと誘ってくれる。だけど、上手くいかなくて責任を感じて落ち込むのも陽介だ。だから、俺はそんな陽介に笑って欲しい」
悠の声が陽介の耳元に心地よく響いて、陽介は顔を赤くして頷いた。
「じゃ、行こうか」
「え?」
「こういう日って、結構大きなホテルでも空き部屋あるもんだ」
「ええっ?」
「今夜は、陽介を離したくない」
「ええええっ???」
悠は陽介をひきずるようにして、都心の高級ホテルに歩みを進めた。
そして、悠の思った通り、そのホテルのスイートルームは空いていて、陽介は相棒の運の良さを目の当たりにしながら、悠に愛された。
「あ、そうそう」
最中に悠はにっこり笑った。
「あけましておめでとう。陽介」
「……あっ…ゆ…う…」
「初日の出、ここから見えるみたいなんだ。それまでずっと、俺に愛されてね」
「…ばーか…」
二人は悠の思惑通り、初日の出を見るまで愛し合い絡み合い、そして午後までその部屋で寝正月を過ごした。
おしまい。
PR
この記事にコメントする