テレビアニメペルソナ4第12話「It’s Not Empty At All」を見て、悠と陽介に腐ってしまいました。そんなネタでお送りします。BL要素がありますので、お嫌な方は入室しないでくださいね。
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バレンタインですね。
眠れないから携帯から打ってみます。
二人で悠の家でチョコパーティ…。
眠れないから携帯から打ってみます。
二人で悠の家でチョコパーティ…。
「今日、家に来ないか?」
と声をかけると、陽介はオレンジ色の花を飛ばしながら
「行く」
と笑顔を見せた。
そうする間にも、
「鳴上く~ん」
みたいな声がかかる。相棒が不機嫌になるのを知っていて、俺は振り返った。
「これ、あげる」
「義理?」
俺は今日チョコレートをくれる相手には全て尋ねた。
「義理かな」
「じゃあもらいます。ありがとう」
と笑顔を向ける。近づいてきた女子(名前もしらない)は顔を赤らめた。
「何で義理ならもらうんだ?悠」
陽介が尋ねてきた。
勿論理由はあるんだが、今ここで言うわけにはいかない。
「秘密だ」
「何だよそれ?」
当然陽介は声を大きくする。周りでこそこそと声が聴こえる。
「やっぱり、一年しかいないから?」
「遠距離恋愛に耐えられない人は本命にしないよね」
「ああ、本命にしたいのになあ」
陽介はそれを聞いて少し自分なりに納得したようだ。本当は微妙に意味合いが違うけど、それは家にきてもらってから。
まあ、それはともかく、朝からこの話は学校中を巡った。
「鳴上は義理しかもらわない」
と聞いて、いかにも本命っぽいピンクの包みを持ってきたりせなどは、
「先輩!すっごい義理チョコあげるね」
と差し出す。
「りせ、これ、手作り?」
と尋ねると、
「義理チョコなのに手作りなんかしないよ?」
とアイドルスマイル。だが、どう見てもよれた包装紙の隙間からドリアンの匂いがしてくる。
俺は受け取ったが、カバンとは別の袋に放り込んだ。陽介が、
「俺には?」
と聞くが、りせは
「花村先輩、欲しかったの?」
と、きょとんとする。
「そりゃあ、りせちーからならもらいたいと思うぜ?」
陽介は一生懸命に言った。心なしか顔が赤らんで、声も大きい。
「ふうん、でも、義理チョコ一つしか用意してないし」
「花村、あげるよ、私と雪子から」
横でやりとりを聞いていた千枝が差し出すチョコはチロル。
「いい、いい。たとえ10円でも。女子からもらうところが大事なんだよな」
陽介はまた騒いでいる。俺は正直、あまり面白くない。
「帰る。陽介、一緒に帰るか?」
と騒いでいる陽介に声をかける。
「ああ、そうだな」
陽介も騒ぐのを止めて、帰る用意を始めた。
帰宅すると、俺はさっそく陽介にお願いをした。
「悪いんだけど、これ、全部開けるの、手伝ってくれるかな?」
「これ、全部義理チョコか?」
陽介は驚いた。まあ、50個くらいはあるか。
二人がかりで全部の包みを開けると、チョコは全部で3キロくらいはあるようだ。
俺はそれを更に、普通のチョコとナッツなどが入っているらしいのとトリュフのように中身がわからない物に分けた。
そして、中身がわからない物はまとめて冷蔵庫に。
普通のチョコとナッツが入ったチョコは別々のボウルで湯煎し始めた。
「料理すんの?」
陽介が不思議そうに聞いてくる。
「そうだよ」
手持ち無沙汰になった陽介は俺の調理を珍しそうに見ている。
とろとろになったチョコは更に生クリームを足され、柔らかいクリームのようなチョコになった。ナッツが入った方はそのまま、普通に小麦粉とバター、牛乳を足され、型に流された。オーブンが余熱で暖まって、型はそこに収まった。
その後、冷蔵庫からイチゴやバナナ、パンの切れっ端が出てくる。
「よし、お待たせ、陽介」
「食べるのか?」
「チョコって食べるものだよ?」
陽介はきまりが悪そうだ。
「だってよ、おまえに、ってくれたもんだろ?なのに、こんなふうにごっちゃにされて、あげるほうの気持ちはどうなるんだよ?」
陽介の顔はなぜか泣きそうだった。
俺は、陽介の顔をまっすぐに見つめて言った。
「他の誰がどれだけ、俺に気持ちをくれても、それよりも俺が陽介を好きな気持ちのほうが大事だから」
「は?」
陽介の目が点になった。
俺はもう一度言った。
「ここにあるチョコ全部よりも、俺の気持ちのほうが勝ってるから。だから、陽介に食べて欲しいんだ」
「何か、良く解らねえ」
陽介はまだ納得していないようだったが、俺は思いを伝えるだけで精一杯。
「大丈夫。これは全部義理チョコだ。たいした大事な思いなんかないよ」
陽介の目が光を取り戻した。
「だから、義理かどうか、聞いてたのか?」
俺は笑った。
「ご名答」
そう言うと、箸にイチゴを刺して温かいチョコクリームにつけて陽介に差し出した。
「ホラ、チョコレートフォンデュだ」
陽介は意を決したようにイチゴにかぶりついた。
「うめえ」
だろ?
俺にとっては陽介が一番だから。
陽介が笑顔になれば、俺は嬉しいんだ。
それから俺たちはチョコレートフォンデュを楽しみ、その後にできてきたナッツ入りのチョコレートパウンドケーキを冷まして、お持ち帰りできるように包んだ。
「俺、何も用意してなかった」
ひとしきり食べまくってから、陽介は不意に言った。
「良いって」
「いや、何か気が済まないから、近々に何かお返しするわ」
そんなの、要らない。
陽介はもう俺の言いたいこと、解ってるはずなのに。
「俺は、陽介が良い」
「はあっ?」
「お返しに陽介をください」
俺の言葉は予想できたはずなのに、陽介は顔を真っ赤にして
「ななな、何言ってんだ?」
と噛みまくった。俺はそんなあわあわする陽介が可愛い。
「楽しみにしてるから」
と言ったなら、
「そんなん、約束じゃないかんな…うう」
盛大に困る陽介が見られた。
楽しい。
そろそろ帰してあげなければならない。
「好きだよ、陽介。ハッピーバレンタイン」
陽介に言える幸せ。
生まれて初めて、本気で好きになった相手と過ごすバレンタインを、俺は満喫した。
おしまい。
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基本、陽介の気持ちは半分くらい無視ですが、
今回は悪趣味な番長を目指してみました。
女子からもらったチョコでデザートを作ってしまう。
そして一番好きな陽介に食べさせてしまう。
お返しを期待してしまう。
陽介の顔を堪能してしまう。
うーん、最低。(笑)
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