Y2 「誕生日おめでとう、陽介」【創作】 忍者ブログ
テレビアニメペルソナ4第12話「It’s Not Empty At All」を見て、悠と陽介に腐ってしまいました。そんなネタでお送りします。BL要素がありますので、お嫌な方は入室しないでくださいね。
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本日、6月22日はペルソナ4、花村陽介の19歳の誕生日です。
というわけで、お祝いの意味を込めて、誕生日創作を!
19歳といえば、現役大学1年生。素敵同棲始まってますね。(笑)
あの1年があまりにもとんでもない1年だったので、
次の1年は受験生として必死になってかーらーの!幸せな同棲生活ですよ。
悠に愛されちゃってくださーい!、みたいな話です。

BL大丈夫!!という人だけ、「つづきはこちら」からどうぞ。

「おはよー、悠」
あくびしながら陽介が起きてくると、悠は台所で味噌汁用のねぎを切っていた。
「おはよう、陽介。今日はちゃんとご飯炊いたから、すぐに食べられるよ、朝食」
良い香りが漂ってくる。味噌と醤油と炊きたてのご飯の香り。
「おー、サンキュ!じゃ、すぐに顔洗ってくるわ」
「了解」


 同棲生活(と二人がひそかに呼んでいるルームシェア)は二人の大学現役合格とともに、悠は都内に家があるのに、陽介と一緒に住みたくて、親にお願いして実現した。
料理は悠が、掃除洗濯は陽介が請負い、その他の家事はバランスよくその時々で分担した。
実質夫婦生活のように、きちんと金銭関係も折半で行われているのだ。
同棲生活を始めてもう2か月半。上手くいっている同棲だと本人たちは自負している。
 6月21日の朝食はごはんに豆腐とねぎの味噌汁、鶏の手羽先のさっぱり煮、卵焼き、作り置きのホウレンソウの胡麻和え。あまり手間のかからないものばかりだが、結構ボリュームがある。陽介はもともと朝は食べたり食べなかったりしていたが、悠のご飯がおいしくて、朝からちゃんと食べるようになった。
「陽介、誕生日、何か欲しいものある?」
食卓の話題としては、ちょっとドキッとする話を、悠は振った。
「え?え?」
手羽先に食いついていた陽介は、急に降ってわいた話に目を白黒させて飲み込んだ。
「何、急に」
悠の顔は真剣だ。
「だって、2年前の誕生日は、ちょうどりせの張り込みしてて、ロクにお祝いらしいことできなかったし、去年の誕生日は遠距離だったし、せっかく一緒に暮らせるようになったのに、陽介のこと、真剣に喜ばせたいんだ」
「ああ…そっか。そうだったな。忘れてたぜ」
陽介は内心驚いていた。去年はともかく、あの怒涛の2年前の自分の誕生日に何が起きていたのかを悠が覚えていることに。
「何もいらないぜ?」
陽介の言葉に、悠の表情が明らかに曇った。
「どうして?」
悠の様子に陽介はあわてて
「だって、今が充実してるからさ。こうやって悠といっしょに生活できるだけで充分に幸せだし…」
と言いながら、自分の言っていることの意味に恥ずかしさを覚えて顔が赤くなってくる。
思わずうつむく陽介。だが、いつもならその照れる陽介に近づいてキスの一つもする悠が、
「そっか…わかった」
と言って席を立った。
「悠?」
「ごちそうさま」
顔を上げる陽介をしり目に、悠は自分の分の食器をシンクに持っていき、そのまま鞄を引っ掴むと、
「今日、何時に帰れるか、解らないから」
と言って、さっさと出かけて行った。
陽介は、どうやら自分が悠を怒らせたのではないか、という頭になった。真っ赤になっていた顔も一気に真っ青になる。
「どうしよう…でも本当にいらないし…でも悠がせっかく気を使ってくれたのに…あああああ何やってんだ俺」
と頭を抱え、本来なら悠がやる食器洗いを始めた。


こんなときに限って、講義が休講になったり、信号運が悪かったり、犬にほえられるとか、打ち水をしていたおばあさんに水をかけられるとか、いつも以上に運がない。
陽介は溜息をつく。
「なんなんだよ、これ」
こういうときは、家にこもるほうが良い。外で活動していたらどんどん不幸な目に会う。
経験から、マシな選択をした陽介だった。
だが、こんなに暇がつらいと思ったことはなかった。
ずっと見たかったDVDを見てても面白いと思えない。
気が付くと悠にメールをしていた。
<何か、今朝は悪かったな。>
と打ってみて、消して、やめる。
自分は悪くない、とも思ったからだ。
だが、時間がたつにつれ、やっぱり不安になる。
このまま、よくわからない理由で悠が帰ってこなかったらどうしよう。相棒なのに、悠の考えていることが解らなくて悔しい。つらい。
ソファにもたれてうつらうつらしていると、もう夜の11時を過ぎていた。
今年の誕生日は相棒と二人きりで過ごせると思ってたが、どうなるのかもわからない。
「寝るか…」
夕食も食べていなかったが、もう食べる気にもならない。
自分の部屋のベッドにもぐりこんだ。
「悠…」
思わずこぼれる言葉の、思いのほか弱かったことに、自分で驚く。
「俺、悠が必要だ…悠がいれば、誕生日なんて何もいらない…」
そう心から思う。
もうすぐ明日になる。自分の誕生日に、悠はどんな顔をしているんだろう。もしかしたら、今日は帰ってこないかもしれない…。
そう思いながら意識をとばしそうになった。
11時55分。
通路を小走りにする音が聞こえた。続いて、鍵をガチャガチャと派手な音を立てて開ける。ばたばたと走って自分の部屋の戸が開かれて。
「陽介!」
悠が、陽介のベッドに飛び込んできた。
「うわっ!」
眠りそうになっていた陽介は驚いて、思わず悠を抱きとめた。
「今何時?」
悠の問いに、陽介は目覚まし時計を見る。
「11時56分になるとこ」
陽介の声を聴いて悠は安堵の溜息をついた。
「良かった、間に合った」
「悠?」
「朝はごめん。陽介の欲しいもの、プレゼントしたくて、勝手に盛り上がって勝手にしょんぼりしてた。」
悠は陽介の体を抱きしめた。
「悠…」
「陽介の誕生日を二人で迎えることが、二人にとって大切だと思ったんだ。だから、大学の実験を途中でほったらかしにして帰ってきた」
「えっ?」
陽介は驚く。悠は理系の大学でプレゼミ生。1年から結構大事な研究室の実験に参加していると聞いている。
「良いのか?」
「もちろん、陽介といっしょに迎える陽介の誕生日のほうが大事」
「サンキュ」
陽介は明るい笑顔を作ろうとしたが、何だか顔が引きつる。双眸から流れるものがある。
「なんだ、これ。嬉しすぎて泣けるとか、ありえねー」
思わず毒づくと、悠が陽介の涙をペロッとなめた。
「わっ!」
「しょっぱいな、当たり前だけど」
そういうと、陽介に笑いかけた。
「3,2,1、陽介、誕生日、おめでとう」


陽介は生まれて初めて、誕生日を好きな相手といっしょに迎えることができた。


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はい、というわけで、年齢制限なしで書き上げてみました。
陽介は都内の大学の商学部みたいなところで、マネジメントとか経営学とかを学ぶイメージ。悠は理系の大学で、医者を目指しているといいなあ、と勝手な妄想もくっつけて、忙しい悠が陽介をお祝いしたくて何もかもほったらかして帰ってきちゃうところを妄想してみました。
陽介はもっとモダモダしてほしいですね。

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