テレビアニメペルソナ4第12話「It’s Not Empty At All」を見て、悠と陽介に腐ってしまいました。そんなネタでお送りします。BL要素がありますので、お嫌な方は入室しないでくださいね。
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超久々に主花創作を作っていますが、
メイン原稿をやっていると行き詰まってきて、
息抜きにこっちを更新してみよう、と言うことで書いて見ました。
悠と陽介が少しだけケンカ?にもなってないけど、
お互いの考えの違いがぶつかって、みたいな話です。
BL大丈夫な方のみ、「つづきはこちら」からお進みください。
メイン原稿をやっていると行き詰まってきて、
息抜きにこっちを更新してみよう、と言うことで書いて見ました。
悠と陽介が少しだけケンカ?にもなってないけど、
お互いの考えの違いがぶつかって、みたいな話です。
BL大丈夫な方のみ、「つづきはこちら」からお進みください。
「はい、こういう風にタンパク質を形作るアミノ酸はペプチド結合という状態で…」
4時間目の生物の授業は腹が減っているプラス力が抜けて眠気を誘うものがある。悠は頑張って目を開けて聴いている。
だが、その後ろで、良い感じに寝息を立てている男がいる。
「と言うわけで、この代表的な状態をなんと言いますか、花村くん」
教師が陽介を名指しした。陽介は自分の名前を呼ばれたことに反射的に目を覚ます。だが、何を質問されたのか解らない。
「悪い、悠、なんて言われたんだ?」
小声で悠に聴いてくる。
「ポリペプチド」
小声で返す。
悠のささやき通りに、陽介はニッと笑うと立ち上がる。
「はい、ポリペプチドです」
「寝てたわけじゃんなかったんですね?花村くん。でも鳴上くんに答えを教えてもらうのはいい加減よしておきましょうね。バレてますよ」
教師の言葉に教室がどっと沸く。陽介は頭を掻きながら席に座る。
「悠、サンキュ」
陽介の小声が悠の耳に届き、悠は軽く頷いた。
「いつも、悪いな、悠」
昼休みの屋上。悠の作った肉じゃが弁当を囲んで、二人は向き合った。
「あまり、悪いと思ってないだろ?」
悠はにっこり笑う。陽介にとってはきっと永遠に頭が上がらない相手。
「だってよ、あの授業は本当に子守歌みたいなんだよな」
陽介は唇をとがらす。
悠にとっては可愛らしいふくれっ面だが、人目もあるので心の中だけで可愛い、と思っておく。
「ま、解るけど」
悠が同意すると陽介はそうだろ、と言うように
「せめてもっと大きな声で授業してくれればいいのに」
とこぼした。悠は笑う。
「いろんな先生がいるよな、この学校。モロキンもそうだったが、今の担任も」
「悠はけっこう先生たちとも話してるよな?」
ジャガイモに箸をつけながら陽介が問う。
「うん、そうだな。俺のおすすめは祖父江先生かな」
「世界史!」
悠の言葉に陽介が頭を抱える。
「陽介は何の授業なら生き生きできるわけ?」
悠が問うと、陽介は胸を張って答える。
「体育」
「座学で」
悠がたたみかけるように問うと、陽介は途端にバツが悪そうに、
「…ねえよ」
とつぶやいた。
「俺と同じ大学に来ないのか?」
悠は残念そうに言った。
「おまえのレベルに合わせるのは無理だぜ、悠。おまえ学年トップじゃないか」
陽介は更にふくれた。
「でも、都会の大学に進学予定なんだろ?」
悠は少し首をかしげた。
「一応そのつもりだけどな」
「一緒に住みたい」
「…は?」
「陽介と同棲したい」
悠の突然の発言に、陽介は目を白黒させる。
「なんと、おっしゃいましたか?」
「陽介は、俺といっしょにいたくないのか?」
展開が早すぎて、陽介がついてきていない。
「一緒に、アパート借りよう」
「…悠、本気?」
陽介は一応問うてみる。
「当たり前だ」
悠は爽やかに言い放った。
陽介はため息をついた。
悠の雰囲気が少しだけ穏やかでなくなる。
「俺さ、今でも悠に頼りっぱなしだって自覚ある。なのに、一緒に住んだりしたら、きっと、何もかもおまえに依存しちまう自信があるんだ。それは俺にとって成長できない環境だと思うんだよな」
陽介がしゃべることは確かに一理ある。
「だから、近くに住んで、行き来するんでどうだ?」
「大学が違うんなら、それはイヤだ」
「なんで?」
「大学が違うなら、講義が終わった後に会ったりする時間が減る。都合が悪いときに全く会えなかったりする。それは耐えられないんだ」
悠の言葉に、陽介は動揺した。
「おまっ、そんなこと、こんな人前で堂々と言うな」
「本当の気持ちだから、変えられないから、陽介に伝えたい」
悠の顔はこれ以上はないと言うほどに真面目だ。まっすぐに陽介を見つめてくる。
「まだ、あと、1年半も先の話だろ」
「あと、1年と4ヶ月だ」
悠の表情が少しずつ暗くなる。
陽介は困った。今年受験って言う状態ならまだしも、まだ高校2年のうちにそんなことは決められない。
悠はそんな陽介の様子を見て、
「悪かった。この話はなかったことにしよう」
と言うなり立ち上がった。
「弁当は?」
「陽介にあげる」
陽介を置いて、悠は屋上から去って行った。
置いて行かれた陽介は、肉じゃが弁当を抱えてため息をついた。
「だって、…対等じゃないと思うんだから、しょうがないじゃん…」
鮫川の河川敷に一人で座った。
悠は自分の気持ちのほうが陽介より重いんだろうと思った。
一応恋人同士になったはずなんだが、一般常識にとらわれすぎているように思う。
「両思いのはずなのに、まだ、俺の片思いみたいだ…」
つぶやきは虚空に溶けていった。
昔から、物事にはあまり執着がないほうだ。数少ない執着したものは、執着しすぎて壊してしまったり、離れて行ったりしてしまった。
「昔から、ホントに気に入ったものには行きすぎるんだよな、俺」
と心の声がつぶやきに変わる。
「ふう…」
ため息をついて寝転がる。夏にも良くここに寝転んだが、そのときには草の青い匂いが包んでくれた。今は秋の色。身体を預けても、枯れている草の感触が自分を包むだけだ。
夕暮れの色と同じだな。
「贅沢、なのかもな」
両思いになっただけじゃ飽き足らず、もっと一緒にいたい、ずっと一緒に過ごしたい。できれば昼も夜もずっと。
抱きしめたい、キスしたい、その先も。
どんどん欲が出てくる自分に驚く。
「抑えなくちゃ、な」
「何を抑えるんだ?相棒」
突然見知った顔が悠の視界に逆さまに出現した。
「わっっ」
悠は慌てて起き上がる。
ゴンッ!とおでこがぶつかる。
「っててっ」
「いきなり起きるヤツいるか?ぶつかるの、予想できただろうが」
陽介は毒づいた。悠は少し気まずそうに陽介を見つめた。
陽介はおでこを押さえたまま、悠の隣に座った。
「悠、俺は、おまえに依存しすぎたくないんだ。一緒にいるために、俺ばっかりがおまえを頼りにするのはイヤなんだ」
陽介が一生懸命に話すのを、悠は不思議な気持ちで見つめていた。
「自分だけの気持ちじゃだめだよな」
「相手のことを考えてこそ、恋愛、だって思うんだよな」
互いに、気持ちを確かめる。
「一緒に住むときは、ちゃんと条件を考えようぜ、もちろん、家賃から何から全部、な」
「陽介…」
悠は嬉しくなって、陽介の身体を押し倒して、抱きしめた。
「ありがとう…陽介」
「悠…」
陽介は悠に抱きつかれて顔を真っ赤にして、豪快に照れまくった。
ひとしきり抱きしめた悠は身体を起こして、まっすぐに空を見上げた。
夕焼けが草の色を赤く染めて。陽介の顔も悠の顔も影にして。
どちらからともなく、唇を重ねた。
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恋人同士になっても、やっぱりぎこちない二人を書いて見ました。
同棲は悠の独断で、陽介は何でもできる悠にご飯を作ってもらったりするのはマズイと思うと思うのです。
悠は好きになってしまったら、いつも一緒にいたいと思うし、どんどん押して押して押しまくって、
でも陽介が困ってたら引いてしまうんだろうな、不器用だなこの二人。みたいな。
悠→陽介、のような 鳴花でした。
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