Y2 fall in love(3) 忍者ブログ
テレビアニメペルソナ4第12話「It’s Not Empty At All」を見て、悠と陽介に腐ってしまいました。そんなネタでお送りします。BL要素がありますので、お嫌な方は入室しないでくださいね。
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林間学校って、私の学校にはなかったです。キャンプはありましたけど。
だけど、こんな風にがちがちで夜の部も何もないテントの中って、何かしたくなりますよね。


と言うわけで、悠の気持ちが暴走しかけます。
BL大丈夫という方のみ、「つづきはこちら」からどうぞ。













その日は昼間からさんざんだった。
ムドオンカレーにやられて、陽介が倒れた。悠も一口だけ食べて、とても気持ちが悪くなったが、陽介のように勢いよくほおばらなかったからなのか、倒れるほどではなかった。
へろへろになった陽介に肩を貸して、保健委員のテントまで胃薬をもらいに行くことにした。
「悪いな、悠。おまえだって気持ち悪いのに」
「いいって。俺はそんなにたくさん食べてないし」
陽介は悠に感謝と謝罪を繰り返しながら、身体を悠にあずけるように凭れる。
悠にとっては美味しいシチュエーションだったが、自分もあまり調子が良いわけではない。
陽介の身体を支えながら、悠はゆっくりと歩く。
その時間を少しでも長く感じられるように。


テントにいたのは、小西先輩の弟、尚紀だった。
胃薬をもらった後に本人の様子も気になって、ムドオンカレーを作った本人達が頼んだ愛家の肉丼を一緒に食べた。
悠の質問はあまりにもストレートで、かえって尚紀の気持ちを開くことになった。
その展開に、周囲のほうが驚いた。
「どうして、あんなに空気を読まない質問で大丈夫だったんだろ?」
「いいんじゃねえ?多分周囲がもともと気を遣いすぎだったんだ」
陽介や千枝、雪子、完二はこそこそと会話する。
陽介は
「おまえ、すげえな」
と悠の背中をバシバシたたいた。
悠はただ自分が思ったとおりを尋ねただけなので、特段嬉しかったり誇らしかったりはしなかったが、結果的に良かった展開になったことと、陽介が嬉しそうにしているのが嬉しかった。
だが、それだけで幸せを感じられるかと言うと、そうでもない。
午後から始まったゴミ拾いは推理を間に挟みながら夕方まで続き、いい加減疲れてしまったころに周囲はすっかり暗くなった。
テントは陽介と悠の二人きり。
陽介はつゆほども悠のことは疑っていない。悠は全てを飲み込んで一緒にテントに入る。
すると、完二がやってくる。しかも遊びに来たのではなく、泊まりに来たようだ。
「なんで、おまえ、ここにいるわけ?」
と、不穏な空気を出すのは悠ではなく陽介のほうだった。
悠はあえて陽介の側につく。
「俺を受け入れてくれたんじゃないんですか?」
完二の台詞に、
「夜はパスで」
とあっさり片付ける。悠の欲しいのは完二じゃないから。
完二は瞬間湯沸かし器のように沸騰する。
「女子のテントに言ってくるっす!漢見せてやるっす!」
悠はすかさず
「よし、行ってこい」
とけしかけた。陽介と二人きりを取り戻したい一心だった。
完二は走り去り、不安げな顔をしたままの陽介と、内心思ったとおりになって嬉しい悠の二人はテントで再びゆっくり寝そべりながら何とはなしに話しをしていた。
「完二、何か勢いで行っちまったな」
陽介が言うと、悠は
「多分、大丈夫だろ」
と言った。心の中では、もう誰も邪魔しないで欲しいと願っていた。
だが、悠の願いもむなしく、千枝と雪子がやってくる。
しかも、泊らせて欲しいと言われる。
悠は内心がっかりしながらも、二人を受け入れた。陽介もテンションが妙な感じになったが、
「みんなが起き出さないうちに出て行くから」
と雪子に念を押されテントの中で四人が横たわることになった。
もちろん、女子二人と男子二人。真ん中に男子二人の鞄を仕切りにした。


だが、誰も眠れなかった。
横になって、ランプを消すだけでも、身体は休まるのだが、目だけが妙にさえてしまい、どうしようもない。
ただ、悠だけは少しだけ違っていた。
女子はいるが、陽介の体温を感じながら横になれたのだ。嬉しくないわけがない。
逆に襲いたくなるのを必死に押さえ込むので手一杯だった。
陽介が寝返りを打って、悠のほうに顔が見えるように横になるだけで、悠は嬉しくなる。
逆の方向に寝返って、悠に背中を向けるようにするだけで、後ろから抱きしめたくなる。
悠にとっては大興奮の一夜。
周囲が明るくなり、女子二人がそっとテントを出た後、更に起床まで時間があったので、
悠はこのまま寝ることにした。
ただし、これくらいは許して欲しい。
悠は陽介の身体に手を回し、抱き枕を使うときのように絡めた。
寝ぼけても言い訳が立つくらいには。
そして、陽介の肩口に顔を埋めて眠った。


ああ、陽介の匂いがする。


悠はほんの少しの間だけ、陽介の身体を抱きしめる。
陽介の身体のぬくもり、匂い、重さ、感触…。すべてを思い出にするために。
どうか、ばれませんように。
そして、陽介とこれからも一緒にいられますように。
好きだ、とはっきり自覚した朝だった。


名残惜しいが、平常運転に戻る時間だ。
悠は意を決して、身体を起こし、陽介をも起こした。
「花村…」
「…んっ…」
陽介は眠れない、と言いつつ、寝返りを繰り返した夜中を通り越して、ちゃんと少しだけ眠ったようだ。
「おはよう、花村。もう起きる時間だ」
「そっか?解った。サンキュ、相棒」
悠と陽介は新しい一日の最初に見た互いの顔を見て、笑った。



*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

と言うわけで、ギャグ回の林間学校でも根底には鳴×花があったよー的な創作でした。
成り行きではなく、気持ちが積み重なるように悠がもっと恋の深みに落ちて欲しいと思います。
少しだけテレビの話が優先になった部分もありますが、ご了承ください。
次は、そろそろ陽介のほうにもアクションを起こさせたい。そして、悠が告白するシチュを決めたいと思います。


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